彼は、一義的にミュージシャンである訳で、電気グルーブ絡みのイベントやコンサートは軒並み中止となり、音楽配信やDVD販売も停止されています。
また、役者でもあったのでドラマや映画などの収録型のコンテンツに与えた影響は大きく、NHKでも大河の随分な箇所を取り直す羽目になったとか。
芸能人が逮捕されたりスキャンダルが発覚すると何時も議論になる事ですが、作品には罪はない、と言う意見です。
今回も、坂本竜一氏を始めとした、大物芸能人が、コンテンツの配信停止など、自粛ばかりのメーカー側の反応に対して苦言を呈しています。
考え方は様々でしょうが、確かに作品と役者とは全く別物であり、逮捕をもって直ちに停止してしまうと言うのは如何な物なんでしょうか?
悪い意味での潔癖民族
芸能人が逮捕された瞬間に、いきなりコンテンツが出荷停止になる。まぁ、こういう潔癖症的な対応をする国は日本と韓国くらいなものでしょう。罪を犯して無くても、スキャンダル報道で仕事が干されたりもします。
CMとかならいざ知らず、映画やDVDの販売まで停止するのは明らかにおかしいです。そこには事件の当事者ではない大勢の人間も関わっているのです。
映画やドラマはイメージ重んじるCMなどとは明らかに別物であり、同様の扱いをする理由は何処にもありません。
坊主憎けりゃ袈裟までも、そういう潔癖体質な国民性と言うか、悪い意味での村意識みたいな物が透けて見えます。
そして、これはコンプライアンスが過剰運用され表現の自由が奪われている悪しき傾向と無関係ではないでしょう。
このブログでも何度か言ってますが、そういう自粛行為は自国の文化を殺してしまう愚行でしかなく、ハッキリ言って人権をも揺るがすファシズムです。
特に映画なんかは、大勢の資本、大勢のスタッフで成りった共同作業の集大成です。たった出演者一人の不祥事でお蔵入りとか全くの合理性に欠けます。
東映の英断には拍手!
そんな自粛ムードが吹き荒ぶピエール瀧の逮捕騒動ですが、そんな中、東映が下した英断には素直に拍手を送りたいと思います。映画だけでもありませんが、現在の映像コンテンツの殆どが沢山の企業から資金を募り制作される委員会方式です。
ピエール瀧が重要な脇役で出演していた「麻雀放浪記」も、配給こそ東映ですが、出資企業は数知れず、ご多分に漏れずピエール事件の直撃を喰らいました。
公開は4月5日からという事で、その対応が協議される中、関係企業が多過ぎて、自粛か通常公開か、モメにモメたそうです。
そして、そんな委員会で結論が出ない状況下、東映は「麻雀放浪記」を通常公開に踏み切ると単独で決断し、その記者会見を行いました。
反響はワイドショーを総なめ!w
ピエール自粛台風のまっ只中、それを逆行する東映の英断は素晴らしいと思います。各民放のワイドショーも軒並み挙って取り上げ、情報量で言えばピエールの逮捕以上の取り上げられ方をしたかも知れません。
これは、東映のような業界大手が英断を下した事に意味があると思われます。
これだけの大御所法人が公開に踏み切れば、悪しき自粛の連鎖を断ち切れる可能性があります。愚行は早期に正された方が良いのです。
こういう良い前例が出来れば、今後事件が起きたとしても、映画やDVDは自粛に追い込まれなくても済むようになります。
少なくとも、ピエール瀧が逮捕されたからと言って、tsutayaの店頭から、彼が出演している作品を一斉撤去する様な事はしない訳ですから、それが普通の対応でしょう。
レンタルDVDの場合、手作業になるから面倒な事はやらないと言う意見もあるかもしれませんが、それは違う話だと思います。
麻雀放浪記は焼け太りになるのか?
僕は麻雀放浪記がSF映画仕立てで作られていた事は知りませんでした。今回の騒動で初めて知った次第です。そんな人は多いんじゃありませんか?
今回の自粛中止が話題になって、記者会見がTVで大きく報道された事によって、随分と映画の宣伝になった事でしょう(笑)
話題性も充分です。
このまま行くと、当初の目標よりも珍し物見たさに観客が詰めかけるかも知れません。
そうなったら、完全に焼け太りですね。東映はラッキーです!w
ちなみに僕は見に行きません。これは言い切れます。何故なら宣伝を見る限り、この映画が面白い映画とはとても思えないからです。
色々ギミックを詰め込み過ぎた感じが否めません。悪ノリが嵌っておらず完全に滑ってます。
東映の英断には拍手を送りますが、それは映画の内容とは関係ありません。どんな背景があろうとも、駄作にお金を払う気は毛頭ありませんので!(笑)
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