現在の値上げラッシュは不景気下の悪性インフレで明確なスタグフレーションである。

TIOHOシネマズが鑑賞料金の値上げを発表した。

こういった老舗のシネコンが値上げを表明すれば、各映画館も追従するのは時間の問題だろう。

TIOHOシネマズ

これからはアベンジャーズに始まり、ゴジラ、スターウォーズと、キラーコンテンツが目白押しだ。この期に乗じての値上げである事は間違いない。

実際に、新宿の映画館なども早々に値上げを表明している。

でも値上げされるのは映画館だけでなく、食料品から家電まで、殆ど全ての商材が値上げラッシュである。

映画料金は象徴的な出来事に過ぎない。

これは一見、デフレからインフレへ転換した景気の循環のようにも見える。

政府もインフレターゲットを設定しており、これは政府の目算通リに景気が良くなっている…と思ったら大間違いである。

良いインフレと悪いインフレ

単純に物価が上昇する事をインフレと呼ぶ。但しそれが景気上昇と連動していると思ったら大間違いである。

もし、学校でそう習っている人が居るならば、早々に忘れた方が良い。それは全くの嘘である。

インフレ

インフレには二つの顔がある。敢えて言うならば良いインフレと悪いインフレ。さながら経済の腫瘍と言ったところか。

良いインフレとは、学校で習ったインフレの事。すなわち需要が供給を上回るために起こる景気浮揚による受給インフレを指す。

これは歓迎すべき現象で、物価上昇よりも賃金上昇が上回っている状態でもあるので、好景気の証拠ともなる。

一方、

悪いインフレとは、コスト高によるインフレ。これは受給に関係なく、原材料費や人件費の高騰により、値上げを余儀なくされた状態でのインフレである。

コスト・プッシュ・インフレと呼ばれることもある。

コスト・プッシュ・インフレ

これはもちろん全く景気とは連動せずに起きてしまう。当然賃金も上昇していないのに物価が上がる訳だから景気は益々悪くなる。悪性な経済の癌みたいな物である。

政府の詭弁

政府はインフレターゲットとして、物価上昇2%を目標に掲げているが、これは本来、「良い」インフレだけが対象の筈である。

インフレと言っても、受給インフレとコスト高のインフレは真逆の物だ。

受給インフレは景気を押し上げるものであるが、コスト高インフレは景気を押し下げて不景気をもたらす。

こられは断じて同一視など出来る筈ない。殺人犯とノーベル賞受賞者は一緒ではない。

そして、いま日本で起こっている一連の物価高騰、これは残念ながらコスト高インフレである。

円安と運送費の高騰が主な原因。需要は全く旺盛ではなく個人消費が低迷している中でのインフレなのだ。

物価の高騰をこのまま放おって置けば、日本の景気は必ず悪化する。これは避けようがない。

ここは政府主導で何か景気浮揚の対策を打つべき局面なのである。

ところがトンチキ安倍内閣は、コスト高のインフレでもインフレターゲットにひっくるめてしまおうとしている。

今の物価上昇を景気上昇の証拠と位置付けようとしているのである。

もちろん実態はその真逆。

いまのインフレを受給インフレと見なして政策を行うと、どうゆうことになるか!例えるなら出血している傷口を止血するのではなく押し広げて塩を塗るような行為である。

このまま消費税を上げよう物なら、コスト高インフレは益々悪化する。消費増税もコスト高インフレの原因の一つなのだ。

冒頭に述べた映画料金が、もう一段階引き上げられるのである。

今、景気の停滞が囁かれているが、消費増税はその傷口に塩を塗る行為そのもの。だから、確実に景気は下降する。これは100%そうなる。それ以外はありえない。

そうなるのが分かっていても、まだ受給インフレと言い張って消費増税を強行するのであれば、それはもう対策とは呼べない。もう犯罪行為である。

安倍内閣は犯罪内閣なのである。

スタグフレーションは始まっている!

コスト・プッシュ・インフレに不景気が重なった状態をスタグフレーションと呼ぶことがある。

これは正式な学名とまではなっていないなが、悪質なインフレの一形態である。

そしていまの日本は、そのスタグフレーションの入り口にいる可能性が高い。

ここで少しでも舵取りを間違えると確実にスタグフレーションの突入してしまう。しかもその副作用はリーマンショック以上のものとなるかも知れない。

バブルが弾けた時に匹敵する可能性があるのだ。

スタグフレーション

しかしながら、このまま安倍政権がその政策を見返ることもなく、反省もしないのであれば、日本国民はそのまま地獄へ真っ逆様である。

最低限度でも消費税10%を凍結しないと日本の景気は再起不能となろう。

それを避けたければ、安倍政権のNO!と言う意思表示を、民意として鮮明に突き付けるしかない。

統一地方選では、一部にその動きが見られたが、まだまだ生温いと言わざる負えない。

憲法論議でもなく安保法制でもなく官僚の不祥事でもなく、もっと根本的な経済政策の面で安倍内閣は完全に落第しているのだ。

「アベノミクス」は単なる幻想でしかなく、あるのは「安倍のリスク」だけだ。

日本国民は、もっともっとレッドカードを現政権に叩き付けて、消費税をこれ以上あげさせないようプレッシャーを掛ける義務がある。

それが自己防衛であり、唯一の景気対策なのだ。

参議院選挙で自民に投票するなど、本当の自殺行為でしか無いことを有権者はハッキリと自覚しなければならない。
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