事件のあらましについては以下に記事を抜粋。
13日午前、千葉県船橋市にある京成電鉄の踏切で遮断機の棒が切断された事件で、警察は53歳の自営業の男を器物損壊の疑いで逮捕しました。調べに対し「仕事があるのに渋滞し腹がたってやってしまった」と供述しているということです。読めば分かるが事件自体はそんな大きい出来事ではない。
13日午前7時15分ごろ、船橋市宮本にある京成電鉄の踏切で、「男がのこぎりを出して遮断機の棒を切った」と通報があり、警察が駆けつけたところ遮断機の棒2本が根元から切断され、その場に放置されていました。
この場所に居合わせた男性が撮影した映像にはのこぎりのようなものを持った男が、下りたままになっている遮断機の棒を切断している様子がうつっています。このあと男は踏切の前に止めていた車に乗り込んで踏切を渡ってその場から立ち去りました。
警察が目撃された車のナンバーなどをもとに捜査を進めた結果、千葉県市川市の自営業、中野勝徳容疑者(53)が棒を切断した疑いがあるとして器物損壊の疑いで逮捕しました。
京成電鉄は13日朝、人身事故の影響でこの付近での運転を見合わせていて、調べに対し容疑を認めたうえで「仕事があるのに渋滞して車が動けなくなり、腹がたってやってしまった」などと供述しているということです。
しかしながら、この事件はTVで大きく取り上げられた。何故か?
この事件が殊更話題になっている理由は、その犯行の様子が動画として撮影されていたからだ。
そして、事件の背景にある社会問題が大きいからでもある。
犯人は問題提起をした。
53歳にもなった大人が癇癪起こして何やってんだ、大人気ない。そんな意見が世間には多いようだ。でも、敢えて問いたい。この男の行動はそんなに間違っていたのか?と。
朝仕事に向かう途中、交通渋滞でイライラした経験をお持ちの方は少なくないだろう。地方は車社会でもあるから、田舎の方がそんな事態が多いかも知れない。
この事件はそんなイライラの末に起こってしまった。
ここで男の癇癪持ちを非難することは簡単だ。話はそれで終わり。議論は何も始まらない。そしてそこには何の反省もない。
しかしこの男にばかり非を求めるのは些か乱暴過ぎはしないか?
鉄道側に非は無いのか?
朝急いでる時に、タイミング悪く遮断器が降りて来て捕まってしまった。いつもは長くても10分くらいで開放されるのが常だ。でもその朝は違った、20分経っても30分経っても警報機は鳴り続けた。遮断器が持ち上がる様子もない。かと言って引切無しに電車が通過している訳でもない。
いつもと違う理不尽な状況。仕事に影響が出る。益々イライラは募る。
そして何がイライラ募らせるのか言えば、30分以上待たされているにも拘らず、その理由が全く分からないこと。開放の見込みすら知らされない。
ここまでされてあなたは冷静で居られるだろうか?
私は全く自信がない。これで憤慨しないのはよっぽどの聖人君主だ。
その挙げ句、冷静さが吹き飛んで遮断器を切断してしまったとしても、全く不思議だとは思わない。
寧ろ当たり前ではなかろうか。
と、言う訳で、私はこの男の行動を非難する気に全くなれない。勇気がある行動と称賛したいくらいである。
まぁ原因は癇癪だから勇気ではないけれど(笑)
とにかく非があるのは男の方だとは思わない。非あるのは寧ろ鉄道会社の方だ。この事件では京成電鉄側と言えよう。
ほったらかし具合といい、無責任さ加減といい、京成側が被害者なんぞ、ちゃんちゃらおかしい。一体何様のつもりであろうか?
人身事故の為、ダイヤが乱れて遮断器が上がらなかったと詭弁を振りまいているが、それで免罪されるとしたら大間違いだ。
少なくとも鉄道側には事故発生時において説明責任が生じていた筈である。
駅ではアナウンスで知らされる
鉄道内で事故が発生した場合、その前後の駅構内では直ちにアナウンスが流れ、その事態を速報として乗客等に通知される。これは運行ダイヤが狂ったり電車が遅れたりする事を事前に説明する行為でもある。これを怠れば、駅員等に対してクレームが発生し、業務に混乱が生じてしまう。
鉄道の説明責任、これは駅構内に於いて、システム上担保されていると言えよう。
ところがこれが踏切上ではどうか?
全く担保されている状況ではない。踏切で足止めを食らっている車や歩行者等に対してダイヤの運行遅延等が通知される事はない。
例えば、踏切が駅の真近であれば、構内アナウンスが運転席でも聞き取れた可能性があり、男も逆上までしなかったかも知れない。
それと同様に一般の踏切付近に対してもダイヤとか事故の情報を伝える事は決して不可能ではない。そしてそんなにコストを掛けなくても可能な筈である。
例えば、簡易な電光掲示板を付けるのでも良いし、ラジオなりFMなりで事故情報を流しても良いだろう。そしてその周波数を各に踏切に看板すれば良い。
いまはスマホも普及しているから、事故情報を伝える専用アプリを作ると言う手もある。
コストを掛けずに告知する方法は幾らでも出て来る筈だ。
往来での出来事だからと言って警察に任せるのは全くの筋違いである。
京成電鉄はそれしきのインフラ整備すら怠っていたのである。
民間であっても責任は免れない!
電鉄と言う物は例え民間企業であっても、非常に公共性が高いインフラ事業である。だから公道の往来を一時的に分断出来る権限が与えられている。つまりそこには非常に重い責任が伴っている訳で、遮断器を何時までも勝手に下ろしたままで良いと言う訳ではない。そしてその状態を放置していても良い筈がない。
京成には明らかに運用上の瑕疵がり、インフラ整備の怠りがあった。だから総じて説明責任を果たせていない。
これだけの「手抜き」状態を棚に上げ、今回、犯人ばかりが責められるのは社会的公平性からして甚だ一方的であり、民主的裁量とは程遠いと言える。
この男は「開かずの踏切」と言う社会問題に対して、改めて問題提起をした勇者だと断言しても良い。
例えそこまで本人が考えてやった行為ではないにしても、結果としてそうなった。そういう点で、この男は全く悪くない。私は断然擁護したいと思う。
ハッキリ言って、この事件で糾弾されるべきは京成電鉄の方だ。
切断男の方では断じてない。
京成側が被害者などと言う論理は勝手な世迷い言であり、以ての外なのである。
つ、つい、語気が荒くなってしまった^^;
でもそれが真実なのだから仕方がない。
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