これはこれで期待が持てるシステムなのですが、その反面、非常に乱用される危険性も有る危ないテクノロジーである事に気付いている人ってどの位居るんでしょうか?
特に人権やプラバシーを巡る問題で悪用の可能性が指摘されています。
しかも濫用する可能性が大きのは、個人や犯罪組織だけでは無く、大企業や国家機関である所が一番懸念される部分なのです。
つまり世論が盛り上がらなければ必ず悪用されてしまうと言う事です。
顔認証技術の危険性
顔認証は大勢の中から一瞬にして特定の個人を抽出する事が出来ます。警察が逃走中の犯人を見つけ出すことには非常に威力を発揮します。すでに使われてもいます。
でもこれを公安警察が濫用したらどうなるでしょう。
個人のプライバシーはその時点で無くなります。例えば防犯カメラやNシステム、それらがネットーワークとして繋がってしまえば、ターゲットになった人間は外出して何処へ行っても常に監視されてしまいます。
尾行の必要がなくなって操作費のコストダウンには繋がるかもしれません。でもその対象が、思想犯であるとか反体制的な作家などであればどうでしょうか?
通常の警察は刑事事件絡みでしか動きませんが、公安警察は政治的思惑で動きます。
全く事件をおこしていない清廉潔白な人物でも政府にとって都合が悪いと見なされれば監視対象になります。
もちろん脱法行為です。そして人権は無視されます。しかしながらシステムを使った監視は足が付きませんからバレ難いです。
そしてそれを規制する直接的な法律が無い限り公安は必ず実行します。公安には人権意識などないのです。公安の行動目的は治安維持です。
戦前の治安維持法を思い出して下さい。
他国では濫用が始まっている
ちなみに中国では顔認証システムを道路上で使っていて信号無視した人間をリアルタイムで撮影して、そのままネットや標識に晒すと言う使い方をしています。トイレでペーパーを使う際にも顔認証で取り締まっているのだとか…。人権意識が薄い国はすでに警察機構がシステムを濫用ぎみなのです。
その反面、人権意識が強い米国においては企業自ら顔認証の技術を規制しています。その点では人権意識が高いお国柄が反映されていると言えるでしょう。
特に有名な動きを見せるのがグーグル。
グーグルのCEOの一人は、自分のブログ上でAI技術と顔認証が組み合わされた際の危険性について懸念を表明しています。。
そして、こうも言っています。
顔認識技術は、行方不明者を見つけるなど、さまざまな良いアプリケーションの可能性がある。しかし多様な使い方のあるそのほかの多くの技術と同様に、顔認識技術の利用には細心の注意が必要であり、一定の原則と価値観に従う必要がある。そしてそれにより、悪用と有害な結果を避けなければならない。われわれは今後も多くの企業との協力関係を継続して、これらの課題を特定し対策を講じなければならない。そして一部の他社と違ってGoogle Cloudは、重要な技術的および政治的疑問がクリアされるまでは、顔認識の汎用APIを外部に提供しないことを選んだ日本の経営者や技術者の意見も聞いてみたいものです。
0 件のコメント :
コメントを投稿